第8面
第7面
第7面・8面
用明2年(587) 太子16歳

1.物部守屋を破る

エピソード内容

蘇我馬子(そがのうまこ)は、仏教を排斥する物部守屋(もののべのもりや)を軍を率いて倒しに向かったが、守屋の兵は強かった。太子は白膠木(ぬるで)で四天王像を彫り、勝利できたら四天王のための寺を建てると願をかけたところ、味方が放った矢が守屋に命中し、守屋の軍勢は敗れ去った。

鑑賞ガイド

山を背後にひかえた右側に太子と馬子の軍勢が、左の屋敷の中外に守屋の軍勢が描かれる。太子は矢を背負い、むちのような物を持ち馬に乗っている。飛び交う矢が、戦いの激しさを物語っている。

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Q. 馬に乗る太子はどこでしょう?
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太子16歳
祈りで
軍勢を撃破
第7面・8面
推古12年(604) 太子33歳

2.山城の楓野を訪れる

エピソード内容

太子は、美しい村でもてなしを受けた夢を側近の秦河勝(はたのかわかつ)に語った。河勝は山城(京都府南部)の自分の村である楓野(かどの)に太子を案内し盛大にもてなした。喜んだ太子は、300年後にすぐれた天皇がここに遷都し、仏教が栄えるだろうと述べた。太子はこの地に別宮を造り、たびたび訪れた。

鑑賞ガイド

太子が乗る輿(こし)を担ぐ行列と、橋の向こうに、太子の別宮を中心とした場面が描かれている。別宮の右に残る赤い顔料は、太子が描かれていた跡と考えられる。別宮には箱が運び込まれている。

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推古16年(608) 太子37歳

3.夢殿にこもる

エピソード内容

太子は夢殿に入ると、7日間食事を断ち、人を遠ざけた。8日目の朝、惠慈(えじ)法師が招かれ、一巻の経典を見せられた。太子は、小野妹子が持ち帰った経典は前世の弟子のものだったので、中国・衡山(こうざん)に自らの魂を遣わし、前世の自分の経典を持ち帰ったと語り、惠慈を驚かせた。

鑑賞ガイド

室内の中央に、口ひげを生やした太子が座り、袈裟(けさ)をまとった惠慈法師が向かいに描かれてる。夢殿は八角形に表されることが多いので、この建物が宮殿の一部か夢殿か定かではない。

第7面・8面
推古27年(619) 太子48歳

4.墓の造営を命じる

エピソード内容

太子は科長(しなが、現在の大阪府南河内郡太子町)の墓職人に、自分は巳年の春に亡くなるので、早く墓を造るよう命じた。また、墓の中に二つの床を設けるよう指示した。そして太子は、勢益の原(現在の奈良県生駒郡三郷町)と付近の椎坂(現在地不明)で一人歌を詠んだ。

鑑賞ガイド

起伏の多い山道と点在する木々から成る風景のみが描かれている。山肌に沿って川が流れ、下流には橋がかかる。

第7面・8面
推古29年(621) 太子50歳

5.斑鳩宮で生涯を閉じる

エピソード内容

斑鳩宮(いかるがのみや)で、太子は妃に身を清めるよう命じ、自らも身を清め、清潔な衣をまとった。太子は今夜、妃とともに命が尽きると語り、ともに床に入った。翌朝、亡くなった二人を従者が発見した。天皇も人々も嘆き悲しんだ。

鑑賞ガイド

奥まった部屋に、太子と妃のなきがらが横たわっている。宮殿中で人々が嘆き悲しむなかで、階段左側の女性だけが手をあらわに見せている。通常、女性は手を袖の内に隠すため、珍しい表現といえる。

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Q. 亡くなった太子と妃はどこでしょう?
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太子50歳
予告通りに逝去
第7面・8面
推古29年(621) 太子50歳

6.墓への葬送

エピソード内容

輿(こし)に乗せられた太子と妃の棺は、科長(しなが、現在の大阪府南河内郡太子町)の墓に葬られた。宮殿からの沿道は、嘆き悲しむ人々であふれ、墓を訪れる人は絶えることがなかった。カササギに似た珍しい鳥が墓の上に住み、守墓鳥と呼ばれた。

鑑賞ガイド

太子と妃のなきがらを乗せた輿を中心に、葬列が険しい山を下り、う回して墓所に向かう様子が描かれている。板塀と幕で囲まれた墓正面には鳥居が立てられ、鉢巻き姿の従者たちが周囲を守っている。

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Q. 太子の鞍を付けた愛馬はどこでしょう?
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皇極2年(643)

7.太子の王子たちの昇天

エピソード内容

蘇我入鹿(そがのいるか)の軍勢の襲撃から、生駒山に逃れた太子の王子たちは、山背大兄王(やましろのおおえのおう)に率いられて斑鳩寺(法隆寺)の塔内に入り、浄土に生まれ変わることを誓った。すると天は光り、仙人などが現れて飛び去り、王子たちは絶命した。人々は、彼らの魂は天界に迎えられたと語った。

鑑賞ガイド

手前の南大門の奥にある中門には、顔料がはく落しているが、金剛力士像が描かれている。さらに奥の右に金堂が、左に五重塔がある。塔にかかる霞の左手に、昇天する7人の王子たちの姿が見える。

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Q. 昇天する王子たちはどこでしょう?
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第7面・8面

B.牛飼いに穀倉の鍵を与える

エピソード内容

牛飼いの平太が、豊かな水がある川の中で糞をし枯れた田ではしない牛は、豊かな者に多くほうびを与える太子のようだ、と言って牛を叱った。それを聞いた太子は平太に蔵の鍵を与えた。開けると、蔵の中は糠(ぬか)だった。太子は平太に、運がないから米が糠に変わったのだと述べ、糠からこうじを作る方法を教えた。

鑑賞ガイド

牛飼いの平太は、牛の手綱を引きむちを振り上げながら川を進んでいる。周りには豊かな水流が描かれ、左上の東屋へと続いている。東屋には、赤い衣を着た太子が腰かけ、平太を眺めている。

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Q. 牛飼いの平太を眺める太子はどこでしょう?
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